能面師 麻生りり子
能面装置
NOH MASK DEVICE
能面を装置として、鑑賞者の内面に、時空を越えた「もうひとつの世界」を開く。





0:能面
1:能面の前に、モノを置いてみる。

2:能面の前に、何も無い。

3:能面の前に、水が半分入った
グラスを置いてみる。

4:能面の前に、透明の枠を
置いてみる。
心製造装置
2022年 木材・顔料・純金泥・プラスティック・アクリル
|インスタレーション作品(能面造形+ミクストメディア)
『心製造装置』は、人間の脳が己の内面を対象に投影し、"心" を生み出す過程を可視化した試みである。
能面の前に対象物を置く。
ただそれだけのことで、能面が俄かに対象物を見つめ、何かを感じたり、考えているかのように見えてくる。
人間は能面の表情に何かしらのストーリーを見出し、己と関連付け、イメージを想起する。
そして、この現象は、あたかも能面が鏡となって己の内面を能面の表情に投影し外在化させたかのように思える。
しかし、それは錯覚に過ぎない。
実際には能面はただの木彫りの面に過ぎず、置かれた、あるいは置かれなかった対象物に何ら意味は無い。
にもかかわらず、人は能面の表情や対象物にストーリーを見る。
このように、人の脳は己の内面を対象物に投影させ意味を見出し、心というものを作り出している。
研究・展示歴
本作では、鑑賞者が「能面をどのように見て、どのように感じているのか」を探るため、脳波測定と視線計測による実験を実施しました。
被験者の視線の動きや注視箇所、脳波の変化を通じて、無表情の能面に対して人間がいかに意味を読み取り、感情を投影するのかを観察・分析しています。
実験後にはアンケート調査も行い、主観的な印象と客観的データの照合も試みました。
研究発表
2023年「人はどのように能面を見て感じるのか?」
共同研究:東京国際工科専門職大学 情報工学科 上條浩一教授・鈴木雅実教授ら
学会発表:日本顔学会『フォーラム顔学会2023』
2023年「能面を鑑賞する際の視線移動と注視箇所の分析」
共同研究:東京国際工科専門職大学 情報工学科 上條浩一教授・鈴木雅実教授ら
学会発表:日本感性工学会『第25回 日本感性工学会大会』
展示歴
2022年『中村光江と四人の弟子展』
会場:田中八重洲画廊(東京)
展示タイトル:『シリーズ ―対象物―』として出展
撮影:中野達也






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